解約料について

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解約料について

探偵や興信所の料金には、諸経費や成功報酬など様々な名目の料金が発生することを見てきましたが、意外に見落としがちなのが解約料です。

他にも解約手数料、キャンセル料など呼び方はさまざまですが、もちろん調査料金本体に計上される費用ではなく、契約をキャンセルする場合にのみ発生する料金のことです。

調査が何事も無く最後まで完了すば、支払う必要のない料金なので、ついつい忘れてしまいがちですが、いざ何らかの理由で解約するとなった際に、予想外の金額を請求されることになり、金額が高い、あるいは払う払わないでトラブルになってしまうことも多いようです。

下記数字は、2012年度に国民生活センターが受け付けた探偵および興信所に関する苦情、問合せのあった件数の内訳です(重複回答あり)。

探偵・興信所に関する内容別問合せ件数(2012年度国民生活センター)

上記グラフからもわかるように契約や解約に関する件数がもっとも多いのがわかります。

解約料を請求すること自体悪いわけではない

トラブルが多いと聞くと、解約料を請求する探偵興信所が悪いような印象を受けますが、利用者側の都合で契約をキャンセルする際に、解約料という名目で違約金を請求すること自体が特に悪いわけではありません。

一般の商取引においても、例えば旅行のツアーなどキャンセルする際には解約料を請求されることと思います。

探偵業法第8条においても、契約締結前には必ず重要事項の説明と契約書において「契約の解除に関する定めがあるときは、その内容」を説明および記載しなければならないとされているだけで、解約料を設けること自体を禁じているわけではありません。

解約料の相場

依頼者が解約するタイミングとしては、契約後から実際に調査に着手する前の段階と着手後の段階の2つに分かれるかと思います。

一般の依頼者からすれば、実際に着手してからであれば、解約料を取られるのもわかるが、まだ調査を開始する前なのに、なぜ解約料を支払わなければならないのか?と思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、探偵興信所側としては、契約後、着手日に向けて必要な人員を確保し配置しなければなりませんし、場合によっては予備調査といって現場の下見など様々な準備を行うこともあります。

解約料の考え方はそれぞれですが、キャンセルによって配置していた人員の手が空いてしまうことへの補償や予備調査等準備にかかった経費の補償という意味合いで解約料を設定しているところが多いかと思います。

では、それぞれの各段階における解約料の相場はどのようになっているのでしょうか。

契約後~着手日前

各探偵興信所によって異なりますが、だいたい料金総額の8%~数十%といったあたりが相場かと思います。

業界の慣例なのか根拠はよくわかりませんが、以前より8%としているところが多いようですが、特にパーセンテージに決まりは無く、中には着手日前であれば解約料を取らないというところもあれば、反対に事前に収めた着手金分を請求されるというところまで様々です。

着手日以降

実際に調査を開始した後にキャンセルする場合には、その時点までに実際に稼働した分の料金と実費経費分を支払うというのが相場です。

しかし、中には、開始後は日数に関係なく調査料金の全額を請求するというところや調査料金だけではなく、別途手数料として解約料を請求するところもあるなど、これも探偵興信所によって異なります。

解約料を巡るトラブルを防ぐには

探偵や興信所との契約時には、上述のように必ず重要事項の説明や契約書に解約料の取り決めを記載しなければなりませんので、依頼者側も解約料についての説明も受け、同意もしているはずなのです。

しかし、大部分の依頼者は、調査料金本体のことでいっぱいで、途中でキャンセルする可能性、ましてや解約料のことまでなかなか気が回らないというのが実情ではないでしょうか。

ただ、実際には、契約後に気が変わった、あるいは問題が解決した等で、解約する方も案外多いものです。

そして解約を申し出た際に、解約料を請求され、金額を見てあわててしまい、業者側と揉めてしまというケースが多いようです。

では、できるだけこうした解約料を巡るトラブルを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。

解約料を巡るトラブルの傾向としては、大きく以下のようなものがあります。

  • まだ調査前の解約なので支払いたくない
  • 解約料の金額が高すぎる

まず、契約書にサインをしたということは、こちらも契約書の内容に基き、債務を負わなければならないということを理解しておく必要があるかと思います。

なので、解約料について、きちんと説明を受け契約書にも記載されているのであれば、基本的には請求に応じなければなりません。

しかし、問題になるのは解約料の金額です。

例えば、調査前なのに料金総額の半額とか、調査途中の場合、日割りではなく全額請求されるなど、あまりにも高額に設定している探偵興信所は、やや問題有りなのではないかと思います。

消費者契約法9条1号では、解約料に関し、業者側が被った平均的な損害の額を上回った部分については無効になることが定められています(詳しくは⇒消費者契約法9条1号とは?)。

平均的な損害の額とは、上述の解約料の相場のように、探偵興信所側が実際に負担した常識的な額のことであり、それに対して調査料金の全額などといった、その平均額を超えた部分については無効となるとしています。

なので、いくら契約書に記載されているからと言っても、こうした平均額とあまりにもかけ離れていると判断できる解約料については、こうした法律を前提に業者側と交渉してみる余地があるのかもしれません。

もっとも、後で交渉になった場合には、なかなか話し合いがまとまらずこじれる場合が多いので、できるだけ契約段階で十分に説明を受け、解約料の金額についても確認し、もし高いようであれば、その段階で交渉しておくべきかと思います。

また、中には、解約料を取らないとしている探偵興信所もありますので、そうしたところに依頼するのもいいかもしれません。

《解約料を取らないとしている興信所》


《参考》探偵や興信所との契約はクーリングオフはできるのか?