探偵や興信所との契約はクーリングオフできるのか?

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探偵や興信所との契約はクーリングオフできるのか?

探偵や興信所などで、例えば浮気調査を依頼し契約したものの、しばらくたってから思い直し、契約をキャンセルしたいという場合もあるかと思います。

もちろん、契約のキャンセル自体は可能ですが、おそらく多くの探偵興信所では契約を解除する際には、解約手数料というものを設定しているところが多いです(詳しくは⇒解約料について)。

契約のキャンセルに関しては、契約時の重要事項の説明、および契約書にも解約時の手数料の金額などを記載することになっており、こうした手順で契約したものであれば、解約手数料を請求すること自体、探偵業法に照らし合わせても特に違法というわけではありません。

なので、契約の解除はできるものの、キャンセルと同時にその探偵興信所が定める解約手数料の金額を支払うこととなります。

しかし、こうした契約の解除の仕方とは別に、クーリングオフという制度があります。

全てのケースでクーリングオフが適用されるわけではありませんが、その興信所との契約形態によってはクーリングオフが適用される場合もあります。

クーリングオフとはどのような制度なのか?

クーリングオフとは、英語では「Cooling Off」と書き、文字通り、契約した後に頭を冷やして考える猶予を消費者に与え、その結果、一定期間内であれば無条件で契約を解除でき、しかも支払済みの料金も返金されるというもので、消費者保護の観点から設けられている制度です。

このクーリングオフは、例えば弁護士法、旅行業法、宅地建物取引業法など、個別の法律で規定されている業種もありますが、探偵や興信所の場合は、特定商取引法によって規定されます。

以前は、特定商取引法の定める政令指定商品に探偵興信所は含まれていませんでしたが、2008年の同法の改正により、政令指定商品制度は廃止され、現在では一部を除き原則すべての業種がクーリングオフの対象となり、探偵興信所も例外ではありません。

クーリングオフが適用される取引形態

クーリングオフはどのよな取引にも適用されるわけではなく、自分から購入、もしくは契約する意思をもち店舗に出向いて行う取引形態には適用されません。

では、どのような取引形態にクーリングオフが適用されるのかというと、以下のような取引、販売方法です。

  • 訪問販売
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引
  • 特定継続的役務提供
  • 業務提供誘引販売取引
  • 訪問購入

一部、取引内容がわかりずらいものもありますが、ひとくちに言えば、こちらは特に購入する意思がないにもかかわらず、突然の業者側の勧誘や何らかの働きかけによって契約させるといった不意打ち的な取引形態に適用されます

探偵や興信所においてクーリングオフが適用されるケースとされないケース

では、探偵や興信所と契約する際に、クーリングオフが適用されるなのかされないのかを取引形態ごとに見ていきたいと思います。

探偵興信所の事務所で契約した場合

一般的に、探偵や興信所に調査を依頼する際には、まずホームページなどの広告を見て、電話やメールなどで相談し、その後、事務所に出向いて契約をするというケースが多いかと思います。

このように事務所に出向いて契約を行った場合には、上述しましたように自らの意思で出向き契約したわけですので、不意打ち的な勧誘には該当せず、クーリングオフの対象とはなりません。

このようなケースで契約を解除する際には、クーリングオフではなく契約書に記載されたその探偵興信所が定める契約の解除に関する記載に従ってキャンセルすることになるかと思います。

事務所以外の場所で契約した場合

依頼人の中には、忙しくて事務所に出向くことができない為、例えば、ファミレスやホテルのロビー、カラオケボックス、勤務先などで契約したいという申し出がある場合もあります。

このように事務所外で行った契約に関しては、特定商取引法が定める訪問販売に該当し、クーリングオフの対象となります。

自宅で契約した場合

探偵や興信所が不特定多数のお宅を訪問し営業を行うというケースはまずありませんが、これも上記のように、例えば、小さい子供さんがいてどうしても事務所に行けないため、自宅で契約したいという場合もあります。

依頼人の自宅ですから、事務所外の訪問販売となり、クーリングオフの対象となりそうですが、特定商取引法では依頼人の申し出で自宅に呼んで契約を行った場合には、下記のようにクーリングオフの適用外となっています。

特定商取引法26条5項1号
その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売

いわゆる請求訪問と呼ばれるもので、このようなケースも不意打ち的な勧誘には該当せず、クーリングオフの適用外とされています。

ただし、例えば、こちらから相談の電話をしたものの、その中で興信所側から自宅に訪問することを持ちかけられ、それに従って自宅に招き、その上で契約したようなケースでは、依頼人側が請求したとは言えないため、この特定商取引法26条5項1号は適用されず、クーリングオフの対象となります。

インターネット上で契約した場合

これもあまりないケースかと思いますが、例えば、ある探偵や興信所のホームページを見て、遠方ということでメールや郵送等のやり取りだけで契約書を交換するということも稀にあります。

このような契約形態の場合、特定商取引法の定める通信販売に該当するのかもしれません。

しかし、通信販売はそもそもクーリングオフの適用外とされています。

その代り、ホームページなどの広告上に返品、つまり解約等の可否や条件について、必ず表示する義務が定められています。

この返品や解約に関する表示は、返品できる場合でも出来ない場合でもその旨を表示しなければならず、この表示自体がされていない場合には、クーリングオフと同等に8日以内であれば解約することができます。

契約はクーリングオフ対応の法定書面で

上述してきましたように、訪問販売などクーリングオフが適用される取引形態で契約する際には、商品名や価格、代金の支払時期、事業者の氏名等の特定商取引法の定める事項が記載された契約書、法定書面で行わなければなりません。

その中でもとくに重要なのはクーリングオフの告知に関する事項で、同じ法定書面内に赤枠で囲った中に赤字で8ポイント以上の大きさの文字でクーリングオフが適用される旨の記載がされていなければなりません。

商品名や価格、事業者の氏名等の事項は探偵業法でも定められている内容と重複しますが、それと併せてこのクーリングオフの告知がされているかどうかの確認が必要です。

クーリングオフの効力

商取引において、双方が合意し成立した契約は、どのようなことがあっても守られるべきものであり、一方の勝手な都合で解約するということはできません。

しかし、クーリングオフが適用される取引においては、このような原則を飛び越え、ある一定期間内であれば、業者の同意を得ることなくこちらから一方的に無条件に契約を解除することができます。

また、すでに支払った料金があれば全額返金されなければなりませんし、業者側から解約手数料などの損害賠償も請求できません。

クーリングオフができる期間

クーリングオフができる期間は、取引内容にによって異なりますが、ここで取り上げている訪問販売の場合には、上述の法定書面を受け取った日を1日目とし、そこから起算して8日以内であれば可能です。

ただし、そもそも法定書面を受け取っていない、あるいは受け取ってもクーリングオフの告知やその他の記載不備がある場合には受け取っていないのと同様とされ、受け取っていなければ起算日が開始していないことになりますので、8日間の期間が過ぎていてもいつでもクーリングオフができます。

また、興信所にクーリングオフを申し出た際、「この取引はクーリングオフの対象外です」とか、「すでに調査を開始しているので解約できない」といった虚偽の説明や威圧行為などの妨害行為によって8日間を経過してしまった場合、新たにクーリングオフができる旨を記載した書面を受領した日から8日間が経過するまでクーリングオフができます。

クーリングオフの通知の仕方

期間が差し迫っていると、どうしても慌ててしまい、業者に電話など口頭でクーリングオフを告げてしまいがちです。

しかし、口頭ですと聞いていない等、無駄に期間を引き延ばされてしまうということもありますし、なにより、特定商取引法でも書面によるクーリングオフが定められています(第9条)。

なので、証拠の保存という意味でも必ず書面で行いましょう。

書面と言っても市販のハガキでよく、文面は以下のような内容で、無条件ですので解約理由なども必要ありません。

《記入例》
クーリングオフの通知書記入例
  • タイトル「通知書」
  • 契約を解除する旨の文言
  • 契約年月日
  • 契約金額
  • 販売会社(会社名、営業所名、担当者名)
  • クレジット会社(クレジット契約した場合)
  • 支払った金額と返金してほしい旨の文言
  • 発信日
  • 自分の氏名

なお、クレジット契約をしていた場合には、同じ文面のハガキをもう一通用意し、クレジット会社にも同時に発送します。

郵送方法

まず、上記内容を記載したハガキの表裏を控えとしてコピーします。

次に郵送方法ですが、通常の普通郵便でも消印が押されますので、消印がクーリングオフ期間内であれば有効となります。

しかし、これも受け取っていないなど言い逃れされないとも限りませんので、念のため、発送の記録が残る特定記録郵便、もしくは簡易書留で送った方がいいでしょう。

それぞれの特徴と料金は以下のようになっています。

分類 配達方法 料金
特定記録郵便ポスト等郵便受けに配達され、受取人の受領印、署名はありません。ハガキ代52円+160円
簡易書留受取人に手渡しで配達され、受取人の受領印、署名があります。ハガキ代52円+310円

ハガキのコピーの領収書、郵便窓口で渡される受領証は証拠となりますので、大切に保管します。

なお、さらに念を入れて郵送するのであれば、内容証明郵便で送るという方法もあります。

クーリングオフでもめた場合

先方の探偵興信所がクーリングオフに素直に応じてくれればいいですが、なかなか応じずトラブルになった場合には、最寄りの消費生活センターに相談し、適切なアドバイスを受けてください。

全国の消費生活センター


以上、探偵興信所との契約でクーリングオフができるのかどうかについて見てきました。

契約をキャンセルする理由として、調査料金が問題となるケースもあるようです。

そうならないためにも当サイト、探偵や興信所の料金相場で解説してきた内容などを参考に、事前にできるだけ料金について把握しておくことも重要かと思います。

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