住民票の閲覧制限がかかっていて交付が受けられない場合

自分の身内が家を出てしまって行方が分からなくなったので、転居先を調べるために住民票を請求したところ、閲覧制限がかかっているために請求が認められなかったというケースもあります。

探偵や興信所の人探しにおいても、このように閲覧制限がかかっていて、自分では調べられないので探してほしいというような相談もあります。

確かに、閲覧制限がかかっていれば、いくら同一世帯人といえども住民票を請求しても交付されないようになっています。

では、住民票の閲覧制限とはどういったものなのでしょうか?

住民票の閲覧制限とは?

本来、同一世帯の者であれば、委任状などが無くても本人と同様の手続きで住民票を請求し、交付を受けることができます。

しかし、同一世帯人であってもその請求者がDV(ドメスティックバイオレンス)、ストーカー、虐待などの加害者だった場合には、役所側が住民票の交付を拒否できるようになっています。

これが住民票の閲覧制限です。

もっとも、身に危険が及んでいる被害者が逃げる際に、わざわざ住民票を異動している余裕はないかもしれませんが、少し落ち着いて避難先で生活を送るうえで、住民票を異動していないことにより各種行政サービスが制限されたり、生活上支障をきたす場合も出てきます。

そのような場合には、やはり住民票を異動せざるを得ないという状況も出てきます。

そうなった場合に、同一世帯人だからといって、加害者に交付してしまっては、その異動先の住所がわかってしまい、さらに被害に遭ってしまうことにもなりかねません。

実際に、加害夫が妻の避難先の住所を何らかの方法で突き止め、その直後に殺害や危害を加えるといった事件がニュースになっていることはご周知のとおりです。

なので、閲覧制限によって、住民票で被害者の移転先がわからないように、支援措置が講じられる必要性があるのです。

閲覧制限の対象

もちろん、どのようなケースでも閲覧制限ができるというわけではなく、以下のようなケースが対象となっています。

  • 配偶者や恋人からのDV
  • ストーカー
  • 家庭内の児童虐待
  • 家庭内の性的虐待

閲覧制限は以前まででしたら、DVとストーカーに限られていましたが、2012年以降は児童虐待や性的虐待まで閲覧制限の対象が広がっています。

閲覧制限の適用範囲

支援措置により閲覧制限がかけられると、役所側では以下のような対応が講じられます。

  • 住民基本台帳の閲覧制限・・・支援対象者の記載の削除
  • 現住所および前住所地における住民票の交付拒否
  • 現本籍および前本籍地における戸籍の附票の交付拒否

ただし、支援対象者以外からの請求すべてが拒否されるというわけではありません。

正当な理由がありその理由を裏付ける資料を持参した利害関係者や弁護士などの有資格者からの職務上請求に対しては、一般よりもより厳格な審査のうえ認められる場合があります。

閲覧制限を申し出るには?

被害者がこれらの住民票等の閲覧制限を受けるには、被害者が「住民基本台帳事務における支援措置」を申し出る必要があります。

支援措置の手続きは、以下のような流れになります。

  • 最寄の警察署や配偶者暴力相談支援センター、福祉総合センターなどにDVやストーカーなどの被害を相談

  • これらの相談先で住民登録の閲覧制限が必要と判断された場合は、相談先の意見を記録した「支援措置申出書」(申出書)などを受領。
  • 市民課に相談先の意見が記載された申出書などの資料(「保護命令決定書(写し)」や「ストーカー規制法に基づく警告等実施書面」などを添付)を提出し「支援措置」を申し出る

もし警察等に相談することに不安がある場合やどこに相談すればよいのかわからないという場合には、最初から役所の市民課に直接相談し、指示を仰ぐということも可能です。

なお、支援措置の期間は1年ですが、延長も可能です。

正当な理由がある場合はどうすればよいのか?

相手に対するDVやストーカー行為により、閲覧制限がかけられていて住民票の交付が受けられないものの、一方では離婚手続きを進めなければならないといった場合や貸している金銭の回収をしなければならないといった正当な理由がある場合にはどうなるのでしょうか?

確かに、通常であれば正当な理由にあたるかもしれませんが、いくら正当な理由があるからといって加害者に住民票を交付していてはこうした制度の意味が無くなってしまいますので、加害者である以上、請求しても交付は受けられないでしょう。

探偵や興信所に人探しとして依頼するという方法もあるかと思いますが、探偵や興信所でもDVやストーカー、虐待などがからむ依頼は受けられないことになっていますので、依頼を引き受けてくれる探偵興信所もまず無いと言ってもいいでしょう。

そうなってくると、やはり弁護士等を通じて離婚手続きや貸金回収など、こちらが必要とする法的手続きを進めるしかないと思われます。

弁護士であれば、住民票の閲覧制限がかかっていたとしても、職務上請求書を提出し審査が通れば入手できる可能性がありますし、万が一、交付されなかったとしても別の方法で相手の住所等をある程度調べることも可能かと思います。

ただし、もちろん弁護士と言えども加害者に住所を教えるということはできませんので、住所は明らかにならない方法で法的な手続きを進めることになるかと思います。

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