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行動調査にまつわる料金トラブル

相談内容

平成23年12月、依頼人の配偶者の不倫および不倫相手名が記載された文書が職場に届いたことから、文書の差出人がだれなのか調べるようインターネットで紹介された探偵に依頼したが、探偵から配偶者の行動調査も行う必要があると言われたので、あわせて行動調査も依頼する。

その際に、バレンタインデーの行動調査が必要と言われ、3月上旬に報告書を提出するとの説明を受けた。

その後、配偶者から離婚調停の申し立てがあったため、探偵に状況を問い合わせたところ、まだ調査中とのことで、遅くとも3月9日までに報告書を提出するように求めた。

ところが3月9日になっても報告書の提出がなかったため、探偵に料金の返金を求めたが、担当者が退職したり、返事が無かったりと進展せず、消費者生活センターを通じて、契約解除通知を送付したが、探偵から連絡がなかったため、支払った料金の全額を返金してほしい。(※抜粋要約)

この事例では、国民生活センターにADR(裁判外紛争解決手続)を申し立てを行いましたが、原文にもあるとおり、国民生活センターが郵送した回答書および答弁書などの提出要請書が相手不在で郵便局から返送され、電話をしても「現在使われておりません」という状態で業者とは連絡が取れずじまいで、結果、ADRの手続きが行えず、依頼人が支払った料金は戻らなかったようです。

依頼人からの話し合いにも応じず、行方をくらますなどは、論外であり、悪質な業者であることは言うまでもありません。

しかし、この事例から学ぶ点も多いかと思います。

まず第一に、文書の差出人がだれなのかを調べるために、行動調査を提案したというところまではいいとしても、依頼した12月に対して、報告書の提出期限が3月上旬というのは少し長すぎるのではないかと思います。

この興信所からはバレンタインデーに行動調査を行う必要性を説かれたようです。

バレンタインデーやクリスマスなど、浮気相手と接触する確率が高そうな日を狙って行動調査を行うということはあることですが、わざわざ2ヶ月後に調査日を指定し、なおかつ報告の期限をそれから1ヶ月後に指定したのもおかしな話です。

この興信所の場合、初めから計画的に調査期間を引き伸ばし、その間に逃げる算段でもしていたのかもしれません。

このような場合、依頼する側も、業者が調査日を2ヶ月後に設定し、報告もそれから1ヶ月後に設定した時点でなぜそうなるのか疑問を持つという点と、それならそれで、あらためて2ヶ月後の着手日直前に契約を行い、料金の支払いも直前に行うことを要請する必要があったのではないかと思います。

もしそうした要請をして、それでも契約を急がせるようでしたら、その時点でそのような興信所に依頼するのはやめておいた方がいいかと思います。

第二に、原文にもありますが、この興信所は登記を行っておらず、代表取締役の住所もわからなかったようです。

原文を見てみればわかりますが、この興信所は一応株式会社を名乗っています。

株式会社を設立するには、法律により登記を行わなければなりませんが、株式会社を名乗っておきながら登記を行っていないのであれば、その時点で法律違反であり、だれも取引を行おうとは思わないでしょう。

どのような取引においてもそうですが、少し怪しいなと感じたら、事前に商業登記簿謄本を取得しておくことをお勧めします。

商業登記簿謄本は、一般に公開されているもので、最寄りの法務局やインターネットからだれでもわずかな費用で取得できます。

株式会社と付いていれば、なぜかそれだけで安心してしまう傾向がありますが、この依頼人も、事前に確認しておけばこうした料金トラブルを未然に防ぐことができたのではないでしょうか。

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