数字選択式宝くじ(ロトやナンバーズ)の高額当選情報提供事業者A社、B社の2社に騙され、合計2,024万円を振り込んだ。
被害回復のためにインターネットで検索していたところ、「詐欺被害返金サポート」、「お客様満足を第一に考えたとことん調査、結果を出し被害金額の返金を実現する」という探偵のホームページを見つけた。
早速電話をしてみると、「事業者のA社はうちが以前口座を凍結した業者だ」等の説明を受け信用し、契約した。
探偵の料金として口頭で105万円と告げられ、2回に分けて料金を振り込み、その後、委任契約書が届き、署名して返送した。
数日後に報告を受けた際に、「探偵業は調査までで、被害を取り戻すためには弁護士が必要になる。弁護士は探偵業者が紹介すると嫌がるので、我社が紹介したということは伏せて依頼して欲しい」と法律事務所を紹介され、弁護士に依頼したが、騙された宝くじ当選情報提供事業者の2社とも連絡が取れなくなり、被害回復はできなかった。
納得できないため、料金を返金してほしい。(※抜粋要約)
今回のロト詐欺のような消費者トラブル被害解決をうたう探偵や興信所の手口として、上記例のように、結局は対象事業者の企業調査のみ行って料金を取り、対象事業者に対する返金交渉は弁護士を紹介するという流れが多いようです。
しかもその紹介するという弁護士も何かつながりがあるというわけではなく、適当にインターネットで探した弁護士を紹介しているようです。
そのあたりは、「弁護士は探偵業者が紹介すると嫌がるので・・・」という言葉に表れています。
要するに全く面識のない弁護士なので、こちらの名前を相手に告げられては困るということです。
この探偵が弁護士を紹介するという行為ですが、実際には結構あることです。
探偵や興信所が浮気の証拠を取り、その後に相手に慰謝料を請求したいなど法的な相談をしたいので、どこかよい弁護士はいないかと依頼者から持ちかけられた場合、面識のある弁護士を紹介するということはあります。
またその反対に弁護士などから紹介を受けることもあります。
しかし、今回の探偵の業態の場合、もしかしたら、弁護士法第27条が定める非弁提携にあたり処罰の対象になる可能性があるのではないかと思います。
弁護士法第27条には、
“弁護士は、第72条乃至第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。
《引用元》弁護士法第27条(PDF)
とあります。
では、第72条とはどのような内容かというと、
“弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
《引用元》弁護士法第72条
とあり、いわゆる非弁活動を禁じた条文です。
また、第74条とは、
“弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。
2 弁護士でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。
3 弁護士法人でない者は、その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。
《引用元》弁護士法第74条(PDF)
とあるように、弁護士ではないものが法律事務を取り扱うような記載をしてはならないとあります。
これらを読むと、以下私見ですが、この探偵が第72条や74条に定めるところの非弁活動を行っていなければ、非弁提携にはならないのかもしれません(このあたりの解釈は有資格者ではないので、定かではありません)。
ただし、このような消費者トラブル解決をうたう探偵や興信所のサイトに記載されている、「被害金額の返金」やこの興信所が口にした「口座を凍結した・・・」等の行為は、第72条が定める非弁活動であり、それを第74条が禁じているようにサイト上で記載をしているということであれば、それだけで、非弁活動にあたる可能性があるのではないかと思います。
いずれにしましても、実に誤解を生みやすい、宣伝の仕方ではないかと思います。
このケースでは、ADRの調停の結果、この興信所側が依頼者に調査料金の全額を返金することで和解したようです。

