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占いサイト被害にまつわる料金トラブル
【引用元】国民生活センターの原文(PDF)
このケースでは、探偵と交わした契約書には、依頼内容として「企業調査」と記載されていたようです。
それに対し、依頼人は企業調査の中に占いサイトとの返金交渉も含まれていると思い、それに対し違和感はなかったとのことです。
こうした被害金を取り戻すとうたっている探偵や興信所の多くは、このようにサイト上では返金交渉まで行うような記載をしておきながら、実際には企業調査ですまし、返金交渉などは結局行わないというのが手口のようです。
企業調査と言ってもこの例でわかるように、おそらく法人登記簿に記載されているような内容なのではないかと思われます。
法人登記簿であれば、ご存じのとおり、最寄りの法務局等でだれでも簡単に取得できますし、ネットでも手軽に取得することができます。
法人登記簿を取得するまでもなく、今回の占いサイトのように実在する運営事業者であれば、もしかしたらネットで検索するだけでその事業者のだいたいの情報が出てくるかもしれません。
あとは、こうした法人登記簿やネットで出てきた所在地に行って、外観の写真を撮ったものを添付して、報告書の体裁を整えた程度のものではないかと思います。
料金を受け取り、調査も行わず報告書も提出しないということになるとあきらかに詐欺罪にあたりますので、一応調査を行ったという事実を取り繕い、契約を履行したと主張するわけです。
確かに、契約書も交わし、実際にそこに記載されている依頼内容である企業調査を行ったということであれば、探偵業法に照らし合わせても問われることはないと踏んでいるのかもしれませんが、実際には役に立たない報告を受けても、依頼人にとっては詐欺に近い行為とみなされても仕方ないのではないでしょうか。
これらのケースからもわかるとおり、被害金額を取り戻すことをうたっている探偵や興信所は、まず疑った方がいいかと思います。
ちなみに、このケースでは、国民生活センターのADRの調停で、105,000円の料金のうち、探偵側が2万円の料金の返金に応じ、和解に至ったそうです。
今回の占いサイトの運営事業者が実在するということを依頼者もあらかじめ知っていたようですが、このケースのようにもし被害に遭った事業者が実体のある事業者だった場合には、このような探偵や興信所に依頼せずとも、初めから弁護士や国民生活センターのADRを利用したほうがまだよかったのではないかと思います。
【参考】探偵興信所の費用や料金相場